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リサイクルは課税?非課税?青色・白色申告に影響する?
不用品を無駄にしたくないけど…
ネットオークションやフリマアプリなど、ネットワークを利用した売買が盛んになっている昨今。利用したことのある方も多いのではないでしょうか。ただ捨てるのではなく不用品などを売って少しでもお金になったらいいな、と思うのは誰でも同じはず。
給与所得のある方でも売り上げが高額になると申告しなければならないことはそれなりに認知されてきましたが、青色・白色申告の個人事業主は申告に影響するのでしょうか?
古物商許可を取得してリサイクル業としての売買であれば帳簿は売上になるけれど、それ以外はどうなるのでしょう?
個人事業主の口座に振り込まれるようにしてしまったらすべて課税対象なのでしょうか?
確かに、個人事業主は事業資金と個人のお金の境目は実際ほとんどありませんが…
誰(どこ)の所有物?
「課税」か「非課税」かは、売却したものの所有権が誰(どこ)にあるかで違ってきます。
例えば、生活に使っていた本棚をオークションに出品、売上金は取引がしやすいように事業で使用しているネットバンキングの口座に入金してもらった。
これは個人的に所有している物品なので事業所得にはあたりません。
ですが、購入時に事務所で使用するものとして経費で落としていた場合、本棚は事業で使用するもの(会社の所有物)となるので、その売却益は事業所得「雑収入」などにあたります。
基本的には、たとえ事業用口座に入金されてしまったとしても個人で売ったものは「非課税」、事業用に購入し使用していたものを売れば「課税」ということになります。
例外としてブランド品や貴金属・車などの売却は高額になりがちです。これらの物品は生活必需品にはあたらないため、厳密には「課税」となることが多いようです。
「ちょっと多めの現金が必要だから…」などと純金のアクセサリーなどを売却した際は注意です。20万円以下の売値でも課税対象とされる場合もあるようです。
また、自宅を事務所として使用している方は私生活と按分(使用割合で費用を分割すること)している家具や機器もあるかと思います。
こちらに至っては、購入時に経費を按分しているのなら当然売却時の金額も按分して「雑収入」として計上しなければならないでしょう。
家事按分は、家賃・光熱費など私生活と共同で使用している経費のかかるものすべてを決算時に家事で使う割合○○割、事業で使う割合○○割として経費を個人使用分と分けなくてはなりません。
ですので、例えば10万円で購入したパソコンを家事2割・事業8割で使用していれば事業の経費としての購入価格は8割の8万円となります。その後5万円で売却したとするとまた8割の4万円が事業の雑収入として計上されることになります。
少しでも経費に按分して計上しておくと節税にはなりますが、こういった場合も当然出てくるためある程度は使用するものは割り切った方が後から手間が掛からないかもしれませんね。
しかし課税云々よりも前に、個人的な売買でも事業用の口座に入金してしまうと出金する際の帳簿処理がひと手間増えますね。
その処理がうまくできないと税務署に「帳簿と口座の記録が合っていない」と思われてしまいます。
事業規模がまだ小さいので口座を分けるまでもないという話もたまに聞きますが、申告の際に面倒にならないよう、ビジネスとプライベートははっきり区別することをお勧めします。
減価償却しているものは注意!
事業用に購入したパソコンを買い替えるため、現在使用しているパソコンを売却することにした。購入時25万円だったパソコンは年62,500円で減価償却されるため(耐用年数4年、償却率25%)仮に65,000円で売れた場合はその年は利益となってしまいます。
ですのでその場合は雑収入(もっと高額の資産、例えば土地や建物、自動車などを売却した場合は譲渡所得になる場合も)などの会計処理が必要となります。
さらに減価償却資産は耐用年数内は償却を継続するため、耐用年数4年を待たず2年使用後売却した場合にも残りの2年は減価償却処理をしなければなりません。
売ったからといっても帳簿上は残っているのです。くれぐれもお忘れなく。
まとめ
事業資金と生活費の境目が個人事業主は実質曖昧とはいえ、プライベートで売ったものは事業には影響ありません。在宅ワーカーであろうがノマドワーカーであろうが、事業届を提出していれば事業とプライベートの境目は保守されます。
しかし、個人所有のものとはいえ年間20万円以上売り上げたり、高額な貴金属などを売却した場合は申告の際事業所得とは別に「雑所得」として申告しなければならないことをお忘れなく。
雑所得も高額になってくると課税対象となる所得額に合算されて当然増えてくるもの。
こまめにオークションなどを利用する方はきちんと記録しておくのがよさそうです。
ネットでの売買はおおかた口座振込なので事業収入以外の入金履歴が多すぎる場合は税務署が手招きしているかもしれませんよ…?