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リースと減価償却はどっちがお得?それぞれの性質を理解して節税対策に活用!
金額の大きな設備や什器の経費計上の仕方
事業を営むにあたって、必ず必要になる設備や什器があります。大きなものになると金額もかさばり、出費もさることながらその経費は事業の利益を一時的だとしても大きく削ります。そのような高額の設備や什器は使い捨てのものはほとんどなく、壊れたとしても修理ができたり下取りや売却して現金または現金同様の価値を持ちます。
高額な設備や什器の経費計上の仕方は、基本的には「減価償却」という方法を用いてその金額を数年にわたって計上していきます。決算時にその年の「減価償却費」を算出し、費用として計上します。
「減価償却」のメリット・デメリット
「減価償却」とは、使用できる期間が1年以上でかつ購入価格が10万円以上のものを導入したときに使用する勘定科目です。この「減価償却」で扱われるものは、基本的には消耗品ではなく「試算」として扱われ、「減価償却」をしている間はその残りの金額相当の価値があるものとしてみなされます。
たとえば自動車やパソコン、建物や大型の什器などがあたります。コピーや印刷をする複合機などもこの中に入ります。
「減価償却」の方法には「定額法」と「定率法」があり、「定額法」では購入金額を「耐用年数」で割り、毎年同じ額になるように「減価償却費」として計上します。「定率法」は、それぞれの耐用年数に決められている「償却率」というものを購入金額に掛けて算出した金額を計上します。どちらも「耐用年数」内に全額が償却できるようになっています。
「減価償却」のメリットは、購入価格を数年に分けて計上するのでその間の事業利益から「減価償却費」が差し引かれ、結果数年にわたって節税効果が期待できることです。またデメリットとしては、会計処理が面倒なことでしょうか。それぞれのものに対して個別にある「耐用年数」を調べ、「定額法」か「定率法」で毎年決算時に償却処理を行わなければなりません。税理士に依頼していたり会計ソフトを使っていればさほど処理に困ることはないかもしれませんが、慣れるまでは少し厄介な会計処理のうちの一つです。
「貸借料」(リース)のメリット・デメリット
そんな高額なものを「減価償却」せずに毎月の会計処理の一つとして処理できる設備導入の方法として最近増えてきたのが「リース」です。今では車や各種の設備や什器など、さまざまなリースが使えるようになりました。
この「リース」のメリットは、初期投資が少なくて済むことや経費計上の仕方が「貸借料」として他の費用と同様に処理できるところです。車であれば100万200万という高額な買い物が毎月数万円の支払いで済むので、事業初期や資金の余裕が少ないときに上手く活用できると便利な方法です。
デメリットとしては、「リース」はあくまでも「借りているだけ」なので所有権がなく、融資を受ける際などの資産の算定には全く入らないことや、長期にわたるものでは結果的に購入価格よりも支払った総額が高くつくことがあることでしょうか。
どちらにしても、現在の事業規模や資金・現金の余裕、また長く見て資産として持っておきたいものかどうかで購入するかリースにするかをしっかりと判断することが、結果的に事業にも節税にもプラスになるのではないでしょうか。