青色申告をするとどれくらい節税になるの?具体的な所得例で計算してみた。

 

課税所得330万円以上695万円以下の所得税率は20

 

青色申告をすると節税になる、とはよく聞くけれどいったいどのくらいの額が節税になるのでしょうか。そもそも、給与収入にどれくらいの所得税がかかっているのかを知っていなくてはなりません。

給与年収から社会保険料や厚生年金、生命保険料の控除など各種の控除(年末調整)をしたあとの金額を「所得」といい、この「所得」の区分に応じた「所得税率」があります。平均的な所得税率は課税所得330万円以上695万円以下の20%でしょう。

ですが所得税は所得に20%を掛け金額に、さらに所得区分に応じた控除額を差し引いて算出します。所得330万円以下だと控除額は97,500円、330万円以上695万円以下だと427,500円が所得に20%をかけた金額から控除されます。

 

 

雑所得で申告した場合と青色申告した場合の所得税の差額例

例えば、本業と副業で400万円の課税所得があるとします。副業分を雑所得で申告した場合は課税所得はそのまま400万円となり、(課税所得400万円×所得税率20%-427,500円)=372,500円の所得税となります。そして、副業分の所得が年間20万円以上あり青色申告をした場合は、課税所得が(400万円―青色申告控除65万円)=335万円になり、所得税は(課税所得335万円×20%)-427,500円=242,500円となり、その差額は13万円となります。所得税率区分が青色申告控除をする前とした後で変わらない場合は、単純に青色申告控除額の65万円に20%をかけた13万円が節税になるわけです。

では、青色申告控除後に所得税率の区分が変わる場合はどうでしょう。本業の所得が360万円、副業の所得が30万円の計390万円の課税所得があるとします。この場合、副業を雑所得で申告すると(課税所得390万円×所得税率20%-427500円)=352,500円となります。そして青色申告をすると課税所得が(390万円―青色申告控除65万円)=325万円となります。所得330万円以下の所得税率は10%・控除は97,500円ですので(課税所得325万円×所得税率10%-97500円)=227,500円になります。その差額は352,500-227,500=125,000円になります。この場合、所得税率は下がるのですが所得税の控除額も大幅に下がるため金額としては少なめになる感じがしますね。

どちらにしても、一か月換算して1万円以上が節税できることになります。毎月3万円の副業が結果1万円の節税になるとすれば、実質4万円が一か月でプラス収支になることになります。

 

 

所得税は節税できても、住民税は控除されない

青色申告で節税をしようと思ったときに注意すべきことが一つあります。

青色申告はあくまでも「所得税」に関する市の句なので、節税に効果があるのは「所得税のみ」となります。ほかに所得に応じて税額が決まるものには「住民税」があります。こちらは都道府県や市町村の管轄になるので、所得税を受け持つ国税局とは同じ考え方はできません。なので、青色申告で節税できるのはあくまでも「所得税のみ」であって、雑所得であっても事業所得であっても「住民税」の方は合算された所得で税額が決まります。所得で決まるすべての税金が節税できると勘違いをしないようにしましょう。

takuto

takuto現役・独立系ファイナンシャルプランナー

投稿者プロフィール

大学卒業後、地元のハウスメーカーに就職。3年後、ファイナンシャルプランナーに転向。
携帯料金の見直しから、相続の相談まで幅広くメリットを出すうちに、紹介が紹介を呼び、多いときで月に100件以上の打ち合わせを行うことも。
「知らずに損しているを無くす」をモットーに、ライフプランをもとにした貯金の考え方や節約術、お金の管理運用などのアドバイスを行っている。

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