便利なコンビニ払い、手数料を忘れていませんか?
いつでもどこでも払える便利なコンビニ払い
今では町内に2店舗3店舗は当たり前のようにあるコンビニ。買い物だけでなく支払いやATMも設置してあって便利この上ないですよね。
そんなコンビニで公共料金やそのほかの支払いを済ませる事業主も少なくないでしょう。屋号での銀行口座をまだ開設していない場合などは支払いを口座引き落としにすると帳簿を記帳するときに面倒だから、と払込書で支払いしていることもあるでしょう。
コンビニで支払いをすると、払込書に領収印を押してもらい「これで支払いOK!」となっていませんか?コンビニで支払いをすると、たいてい支払いをした証明としてコンビニのレシートを渡されます。このレシート、ちゃんと取っておいていますか?
「取扱手数料」や「支払手数料」などと書かれたレシートは、小さくても捨ててはいけません。額が小さいとはいえ、立派な経費です。
「取扱手数料」も経費
コンビニの「取扱手数料」のレシートは、たいてい5㎝角程度の小さいものです。普段個人的な買い物でレシートをいらないといっている人は、ついついレジ横の「不要レシート入れ」に捨ててしまいたくなる大きさです。払込書に領収印をもらったからレシートを気にせずにいると、大事な経費を溝に捨てていることになります。
たかが何十円・何百円の手数料ですが、年間通しての額を計算してみましょう。その金額と同等の利益を出すにはどのくらいの売上が必要になるか理解できれば、たかが何十円に対する価値観も変わってくるかと思います。もしもその年間にかかる手数料数千円の違いで、翌年度にかかる税区分が変わってしまったとしたら?捨ててしまったレシートが何倍にもなった税金になるとしたら、少しは丁重に扱いたくなりますよね。
その支払う内訳や企業によって手数料がかかるかかからないかは違ってきます。払込書やコンビニからもらうレシートをきちんと確認してみましょう。
ほかの「支払手数料」には何があるの?
「支払手数料」という科目は割合頻繁に使う科目です。支払いや振込にかかる手数料は当然のこと、何かのサービスに対する報酬なども「支払手数料」に含まれます。
例えば、経理を税理士に頼んでいれば決算書の作成や確定申告書の作成・提出をしてもらったときにその報酬の請求書がきます。また、事務所移転などで引越業者を頼めば「引越代」がかかります。法に関して弁護士に相談をしたり何かを依頼すればその報酬や顧問料など、これらの支払いはすべて「支払手数料」になります。従業員を雇っていて労働保険をかけていたり社労士に勤務時間や給料に関する労務を依頼していればその報酬も「支払手数料」です。
その他には、自動車を車検に出せば「法定費用」・「整備・修繕費」のほかに車検代行業者に支払う手数料や、不動産屋の仲介手数料も同じです。
売り買いした「モノ」に対する対価ではなく、何かのサービスを施してくれた人や企業に対しての対価が「支払手数料」になる、と考えておけばおおかた間違いありません。
少額でも節約できる「支払手数料」は?
コンビニ払いの数十円、金融機関の振込手数料数百円。経費に計上できるとはいえ、あくまでも費用。必要なものは計上しますが、無駄な出費は抑えたいもの。経費は利益から差し引かれるものですので、節税といって何も考えずに計上したところで懐に入る利益を減らしていただけ、ということになりかねません。
外注費や給与の振込などは、振込相手との合意があればおおかた振込手数料の負担を受け取る側にお願いすることも可能です。その場合、例えば50,000円の銀行振込をするのに864円の手数料がかかるとしたら、振り込む額から手数料864円を差し引いた49,136円を振り込むことしします。そうすると、振込手数料が加算され銀行に支払う金額は振込予定額ぴったりの50,000円になります。また振り込まれた側は50,000円の受取予定が49,136円の額面で振り込まれますが、これは受け取り側で振込手数料を差し引いて受け取ったと帳簿に記帳すれば良いだけです。支払先がこちらと同じ金融機関を使用していれば手数料はそれほどの額にはなりませんが、他行を利用していて額面が大きい場合は手数料も500円を超えてきます。それを毎月払うとしたら、その一軒の支払先だけで年間5,000円以上を手数料で余分に払わなければいけなくなります。仮に5,000円として、平均時給に換算すると約半日分の働きを手数料に無駄に持っていかれることになってしまいます。ですので、相手方の了承が取れるなら、できるだけ高額の振込は手数料を負担してもらえると助かりますね。
また、同じ銀行であっても窓口払いとATM払いではATMの方が手数料が安く、また銀行で払えるものもコンビニで払うと実は手数料がかからなかった、なんてものもあります。たいていは銀行窓口に持っていくと「ATMでのお振込みですと手数料がお安くなりますが」とか「こちらで支払うと手数料が発生致しますが、コンビニで支払われると手数料がかかりません」などと教えてくれるはずです。一度に何件もの支払いのできる窓口で手間を省くか、手数料の節約のためにあちこち支払先によって場所を変えるか、要検討する価値はあるのではないでしょうか。
経理をしていると頻繁に出てくる手数料ですので、しっかりとその性質を理解して計上すべきものを計上し、無駄な負担を減らして節税や利益の拡大に努めたいものですね。