「お勧め」と言われる銘柄を購入しない方が良い理由
テレビや雑誌を見ていると、株式投資が話題になっているケースも決して珍しくありません。「お勧め」と言われればついつい購入したくなるのが人間心理。
ですがそのようなお勧め銘柄は購入しない方が良いのです。
「お勧め」なのにお勧めではない理由
お勧めとして紹介されるとどうしても人が購入してしまいます。それもそのはず、いわば「利益になるかもしれませんよ」と勧められているのです。
ただでさえ投資の世界は常に綱渡り。何が利益になって何が損失になるのか分からない世界なだけに、お勧めと言われれば「安全なのかも」という気持ちを抱くのもよく分かる話ではあるのですが、ここで株式のシステムを思い出してみましょう。
なぜ株価が高まるのかといえば多くの人が欲しがるからです。そして安くなるのは多くの人がいらないと思うからです。株式の世界ではあっても需要と供給が働いているのは言うまでもありません。
つまり、そこで「お勧め」として紹介されると需要が高まるのです。つまり、需要が高まれば株価は高まります。
ここでポイントなのが、「何かをしたから」ではなく「紹介されたから」高くなっているのです。業績が良くなったり、あるいは配当が高くなったとかであれば株価が高まるのも分からない話ではありません。
ですがお勧めとして紹介されただけなので、決して持続性がある訳ではないのです。ですが人が群がる。そして株価が高まる。
仮にですが、「お勧めです」として紹介した人がその株を持っていれば、高い時に売れば利益になります。
その後、何があったでもないので需要が落ち着けば株価も下がるでしょう。そうです、自分に利益がもたらされるのではなく、紹介した人間だけに利益が得られるのです。
先のことは分からないのです
証券マン、証券アナリスト、経済ジャーナリスト。様々な人が様々な意見を言える投資市場ですが、先のことが分かっている人間などいません。
今後株価がどうなるのかなど、誰一人分からないのです。お勧めとして紹介されている株価がその後上がり続ける保証などないのです。
つまり、お勧めだと言われてその株を購入するのは、ただ単に踊らされているだけでしかないのです。
残念な話ではありますが、利益を得られると思ったらその情報を誰かに教えてくれるような物好きはいません。本当に上がると思ったら誰にも言わずに買い増しすれば良いのです。
なぜ人に教えるのか。需要を高めれば株価が高まるからです。
言われてからでは遅いという現実
そもそも、そのような情報はお勧めとして公共の電波に乗ったり紙面に掲載された時点で自分だけではなく、他にもいろいろな人が見ているので「価値のある情報」ではなくなっているのです。
利益を得られる情報だと思って飛びついた頃には既に遅いのです。このような情報に踊らされるのは損をするだけでしかありません。
株価が高まった時、誰が得をするのか。その点まで考えれば、なぜお勧めするのかよく分かるのではないでしょうか。
ネットメディア程度であればともかく、テレビで紹介されるとなれば多くの人が目にするのです。
インサイダーではないの?
お勧めとして紹介するのはインサイダー取引に抵触するのではないかと思う人もいるかもしれませんが、インサイダー取引は株価の変動が分かった上で取引を行うことであって、株式をお勧めすることはインサイダーには当たらないのです。
影響力のある人間がテレビのような影響力のあるメディアで紹介すればどうなるのかくらいは誰もが分かるでしょう。情報を発している人間とていわば確信犯です。
まとめ
テレビで紹介されてからお勧めの株を購入しても美味しいタイミングは既に逃しています。決して損をした訳ではないのです。
新しい利益機会との出会いに期待すべきで、株価が下がるのが目に見えているような銘柄に手を出すのは控えましょう。