ある事務員のドタバタ経理~クラウド会計ソフトは万能じゃない~
私は以前、ある会社の経理を担当していました。
全く経理経験もないのに任されて、経理事務の本を必死に読み漁り、経理を自力で学び、2年間を何とか無難にのり切りました。まさに無免許運転です。(経理事務経験が無いことは最初から会社には言ったのに採用されたんです。)
その後、転職し経理から離れていましたが、その後さらに転職。有限会社に努めることになり、再度経理も担当することになりました。
会社によって経理事務も異なります。幸いなことに、両方とも税理士が経理をみてくれたので、決算処理は税理士任せだったのです。
ところがそんなど素人の私に、ある人からヘルプの依頼がきました。
ヘルプが来たのが9月だったでしょうか。青色申告をしたいのだが忙しくて何もできていないとのこと。事務所に行ってみると、あるのは領収書の山・・・嘘ぉ~
私も自分の仕事もあり、思うように進まず焦りました。
クラウド会計ソフトが導入されていた、がしかし
今回のソフトは、今までの事務所で使っていた経理ソフトとは違い、ネットで銀行の口座情報やクレジット情報が流れてくる仕組みになっており、最初からきちんとやってればそれは便利なシステムでした。いわゆる「クラウド会計」というものです。
そう、便利・・・なんですが、いきなり一気に9か月分やってしまおうとすると、大量の情報でてんこ盛り。ソフトも新しいので使い方が分かりません。収拾が付きませんでした。
結局、便利であろう自動取り込みのシステムを一旦断ち切り、手入力していくことにしました。便利なんだかなんだか。(クラウド会計ソフトも、従来のソフトと同様の手入力による帳簿付けはできます。)
こつこつ、こまめにしていかないとダメなのが経理なんです。
すったもんだの挙句、収支が合ったのが11月になってしまいました。
その頃にはソフトの使い方にも慣れ、領収書の整理と仕訳、口座残高を合わせ、残るは減価償却と売掛と未払い入力のみです。このあと、決算処理をし、青色申告用紙に書き込んでいけば出来上がりです。
これで来年からはドタバタせず余裕ありありになるはずですね。
ソフトを導入して、それで終わっていませんか?
銀行の口座情報やクレジット情報を自動で帳簿に取り込めるのは、非常に便利です。
が、買っただけでそれができるわけではありません。最初に設定しておくなり、何かしらの処理が必要です。
今回の件でも、この処理がやってあればまだよかったのですが、正に「ソフトを買っただけ」の状態だったので大変でした。ソフトをうまく使いこなせれば、もっと簡単になったのでしょうけど。
新しいソフトを導入する際は、帳簿を溜めておかないことですね。(^^;
ソフトの使い方を学ぶのと溜まった帳簿を整理するのを同時に並行してやるのは、さすがに難しかったです。
クラウド会計ソフトは、あくまで日々の帳簿付けを楽にするものであって、溜まった帳簿を一括でドーンと何とかしてくれるものではありません。
そんなイメージはあるみたいですけどね。残念ながら。コツコツやりましょうね。