持込・郵送・e-Taxで確定申告。それぞれのメリット・デメリットは?
確定申告書ができたら、いざ申告!
日々の帳簿を清算して決算書を作り、確定申告書も完成。さて、確定申告をします、というときにどのような提出方法をとりますか?申告書の提出方法は「税務署へ持込」・「郵送する」・「e-Taxで申告する」という3つの方法があります。それぞれにメリットもあり面倒な点もあり、どの方法がよいか迷う方もいるのではないでしょうか?
それぞれの提出方法の特徴を見ていきましょう。
直接税務署へ提出に行く
一番確実ともいえるのが直接税務署へ提出に出向く方法です。完成した書類を持って税務署へ行くと、係の職員が直接チェックおしてその場で控えにも収受印を押してくれます。申告書に不備がないか、添付書類が足りてるかなど不安がある方や初めての申告の時はこの方法をおすすめします。わからないことや心配なことがあればその場で職員に訊ねることもできます。簡単な間違いであれば、修正して訂正印をその場で押して提出できます。もう一度足を運ばなくてはならなくなったとしても、どこが違ってどうしたらいいかは明確になります。
一方デメリットとしては、駐車場が満車で待たなくてはならなかったり、申告書提出に並んで待たなければならない、という時間の面でしょうか。特に確定申告の受付がスタートする2月16日から数日と締め切り間近の3月15日までの数日はとても混み合います。並ぶのや人込みが苦手な方は苦痛になってしまうかもしれません。
一口に言えば、「オーソドックスで確実。だが面倒くさい」のが持込提出ということです。
確定申告書を郵送する
何度か確定申告をしていて要領を得ている方は郵送で申告する方も多いのではないでしょうか。郵送の場合は、確定申告書と添付書類(青色申告であれば決算書も)を封筒に入れて税務署に郵送するだけです。今ではコンビニにポストもあって切手も買えますので、時間問わず提出できる便利な方法でしょう。
郵送の注意点もいくつかあります。郵送の場合、控えを貰うには控え用の申告書とそれを返送してもらうための封筒と郵便料金が必要になります。このどれかが足りない場合には控えを返送してもらえません。また、郵送ですが一番郵便料金が安いのは定形外郵便になるかと思います。が、申告書というのは重要書類です。個人情報や事業の所在地・年間収支・場合によっては取引先の情報まで記されてます。事業主の方であればこの情報の重要さが理解できるかと思います。定形外郵便にはなんの保障もついていません。郵便事故などが起こっていても、送った側も送られた側も知る由がないのです。つまり、もっとも簡単だがもっとも安心できない郵送方法になります。これを回避するために、申告書の郵送はレターパックを利用したり、定形外郵便に特定記録を付けてもらうなどなんらかの対処をしておく方がよいでしょう。万が一届いていなくて期限後申告になってしまっては損です。一年に1回の提出ですから、数百円の出費はそれほど大きくはならないはずです。万が一のリスクを極力減らすことも事業主としての責任でしょう。
e-TaxでWeb申告
ネットワークが普及してから、確定申告もインターネットで申告できるようになりました。最近では副業やネット事業主が多いので、利用者は右肩上がりで増えています。e-Taxで申告することの利点といえば、なにより楽なことでしょう。ペーパーレスですし、パソコンで申告書を作成したらそのまま送信してしまえば申告完了です。次年度も個人情報などの細かいデータをいちいち入力することなく、最低限の必要項目を入力するだけで自宅で簡単に申告ができてしまいます。国税庁でも、その処理の手軽さからe-Taxを推奨しています。しかし、これは自宅や事業所にパソコンやインターネット環境があることが必須です。青色申告事業主などであれば業務上その設備が整っていることが多いでしょうが、確定申告が必要な年金受給者や医療費控除のみという方は全員が全員できる方法とは言えないでしょう。
e-Taxで申告をするためには、パソコンとインターネット接続の他にも準備するものがあります。e-Taxは確定申告や個人情報を扱う機密保持の必要性があるので、専用の機器が必要になります。ネット通販などでe-Tax用のカードリーダーが安いものでは5,000円程度から売られています。このカードリーダーに個人識別情報の読み込めるICカードを差し込んで情報を取り込みます。個人識別情報の読み込めるカードとは、去年マイナンバー法が施行されてから発行されたマイナンバーカードと、それ以前に発行された住基カードです。この二つはどちらも「国民を縛り付ける」ようなニュアンスで批判されていたものですが、確定申告の時だけは間違いなく役に立ってくれます。住基カードはもう新しく発行はされないので、今後はマイナンバーカードを取得して利用するのがベストです。マイナンバーカードは申請から発行までに日数を要するので、あらかじめ確定申告の時期が来る前に取得しておきましょう。
便利で楽なe-Taxですが、デメリットはあるのでしょうか?デメリットになる点といえば、ペーパーレスなので、書面の確定申告書の「控え」に相当するものが手元に出ない、というところでしょうか。事業をしていると各所で確定申告書の控えが必要になる場面があります。その場合は、確定申告のデータとe-Taxでの申告が完了した際に送られてくる「申告完了メール」をプリントアウトして控えと同等に扱います。ですので、申告が完了したらその場で申告データと完了メールをプリントアウトして保管しておくのが最良でしょう。パソコンが壊れたりデータが破損したりという事態が起こらないとも限りませんので、重要書類は書面でも保管しておくことをおすすめします。
それぞれに特徴がある申告方法ですが、どのような環境であれ初めての申告のときは直接税務署に提出に行くことをおすすめします。一番確実な方法ですし、事業主として「申告をした!」という達成感が味わえます。簡単で手軽な方法が、要領を得てからいつでもできます。でも、初めての申告の雰囲気は一度きりです。
さぁ、あなたはどの方法で確定申告をしますか?