確定申告の前に税理士に相談した方が良いのか?
年度末の風物詩、確定申告。そうそう頻繁に行われるものではないからこそ、どうすれば良いのか分からずに悩む。その際力になってくれるのが税理士です。税理士はいわば税のスペシャリスト。確定申告の際も力になってくれるのですが、「絶対に」相談しなければならないのでしょうか?
確定申告の用紙を見ると税理士の印鑑を押すスペースまで用意されていますし、確定申告の会場に行けば税理士がしますので、相談しなければならない…そんなイメージをお持ちの方がいるのも不思議な話ではないのですが、実際の所どうなのでしょうか。
義務ではありません。自由です
結論から言えば税理士に相談するのは自由です。決して義務ではないので必ず税理士に相談しなければならない訳ではありません。そのため、特に問題ないと思っているのであればわざわざ税理士に相談する必要はありません。
確かに税理士に相談すれば他の誰に相談しても曖昧にしか分からないようなことが「確実に」理解出来るので相談したいと思っている人にとってはありがたい存在でしょう。
ですが確定申告の難易度は人それぞれです。青色申告で様々な項目を記入し、更には控除もたくさんある。このような人であれば税理士に相談した方が確実ではありますが、白色申告でそこまで難しい書類ではない場合、むしろわざわざ税理士に相談せずとも書類の作成も可能でしょう。
実際、たくさんいます
それでも結局は税理士に相談しなければならないのではないかと疑問をお持ちの方も多いようですが、実際の所、税理士に相談せずに確定申告の書類を作成し、提出している人も決して珍しくないのです。
また、税理士に相談していないからといって追徴課税を必ず受けるとも限りませんし、逆にしっかりと相談したものの自分自身で記入する所で間違えてしまって後日税務署から問い合わせが来るというケースもあります。税理士はあくまでもアドバイスをするだけであって、税理士が便宜を図ってくれるようなことはありません。あくまでもアドバイスですので、受けなければ受けないで別に不利になるようなことはありませんし、受けたからと言って税務署からの監査から逃れられるということもありません。
事情が分かっていないとどうしても税理士に相談しなければならないのか…と思ってしまいがちですが、必ずしもそうではないのです。
立場の違いによっても違う
税理士に相談すべきかどうかは立場の違いもあるでしょう。例えば自営業でも白色申告で、更にはそこまでの収入でもなければ誰も雇っていない。この場合、税理士に相談してもそこまで有意義なものにはならないでしょう。なぜなら確定申告書が簡単に作れるので、むしろ相談するような部分がそうそうないのです。
一方、青色申告で更には人を雇ったり利益もそれなりにあって消費税も払わなければならない。店舗も広いのでどこまで経費になるのか分からないし、帳簿等もたくさんある。そのような場合、自力で確定申告書類を作るのは不可能とは言いませんが、間違えてしまう可能性も高いですし、分からない部分も多々出てくるのではないでしょうか。その場合、自力で無理をするよりは相談した方が確実ではあります。
ですがこれも基本的には自分次第です。自分自身でしっかりと確定申告の勉強を行えば、複雑なものではあっても自分で作成出来るでしょう。先にもお伝えした通り、税理士への相談はあくまでも自己責任であり、自由です。受けたからどうだとか、受けていないからどうといったことはありません。どのような事情であれ、基本的には「確定申告書類」がただしいかどうかが問われるだけですので、税理士への相談は義務ではありません。
求められるのは結果
結局求められるのは「確定申告書類が正しいのか」です。正しい確定申告書類を作成するための一つの手段として税理士という存在があるのであって、税理士ありきではありません。
つまり、税理士抜きでも正しく作られていれば、特に何も問題はありません。税理士への依頼とて無料ではないのですが、一方で自分で覚えるとなると手間暇がかかるのも事実。その兼ね合いをどうするのかでしょう。
まとめ
税理士への相談は確実ではありますが、決して義務ではありません。更に言えば確定申告書類はコツさえつかめば決して難しいものではないだけに、「絶対に税理士に相談しなければ無理」なものではありませんよ。